盛土の崩壊

山沿いの道路や住宅で地割れが発生し、盛土部分の崩壊といった現象が多く見られました。
そのメカニズムとは・・

1.斜面の形成

 地面は普通、硬い地山部分に粘土質のやわらかい層が堆積し、 その上に植物により形成された表土が覆っています。

 斜面のままだと利用するのが困難なため、平らな部分を作ってから、 基礎や舗装をする必要があります。

2.斜面の開発(切土、盛土)

 山の斜面を切り開く場合、硬い地山を掘削するのは困難なので、 なるべく柔らかい粘土部分を掘削(切土)し、 出た土を下の斜面側へ盛り上げる(盛土)作業をして、 平らな面をつくります。

 この平らな面を利用して、道路や宅地、農地を作ります。

3.本震による突き上げ

 10月23日(土)午後5時58分の本震は川口町を震源とした造山運動による突き上げで、 小千谷方面(北側)で23センチ上がり、小出方面(南側)で9センチ下がりました(国土地理院発表)。

 この突き上げにより、硬い部分と柔らかい部分の縁が切れて、不安定な状態となりました。

 盛土部分と地山との間の縁が切れて、滑りやすい状態となります。

4.余震(横揺れ)

 震度5を越す余震が何度も襲い、その横揺れで不安定な部分は崩壊し、 表面には地割れが発生します。

 盛土部分全体が斜面を滑って崩落に至ったところもあります。


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